東京交響楽団
首席テューバ奏者
渡辺 功
Isao Watanabe
1960年 東京生まれ。小学校卒業と同時に音楽の道を志す。1976年芸大附属音楽高校入学。一浪後 1980年東京芸術大学音楽学部に入学。1986年 第三回日本管打楽器コンクール テューバ部門において一位無し《二位の下》を受賞。1989年 東京シティフィルハーモニック管弦楽団入団。1993年 (財)東京交響楽団に移籍、現在にいたる。2000年 東京交響楽団定期演奏会においてR・ヴォーン・ウイリアムズのテューバ協奏曲のソリストをつとめ好評を博す。
洗足学園音楽大学、桐朋学園、東海大学各講師。
カスタム・ブラス・クインテット、東京シンフォニエッタのメンバー。日本ユーフォニアム・テューバ協会理事。
・使用楽器、マウスピース
C管:ヤマハYCB-826 ルドルフ マインル5/4 マイネルウエストン2165 ルドルフ マインル3/4、ウィリーズ MK-C2
シルキーヘルバーグ2
F管:ヤマハYFB-821 B&S3099、セルジオモデル&ボボモデル
ギャラリー (動画はヘッドフォン推奨)
関連書籍・CD
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Q1.出身は?
東京の下町です。
Q2.血液型は?
A型
Q3.星座は?
山羊座
Q4.好きな食べ物は?
餃子 & ふわ入りの煮込み
Q5.嫌いな食べ物は?
Q6.趣味は?
クルマ
Q7.周りからなんて呼ばれてる?
いさお、いさおさん、いさお先生。
Q8.休日は何してる?
亀の水替え。
Q9.1ヶ月休みがあったら何をする?
テレビでサスペンスを観て温泉。
Q10.よく行くスポットは?
Q11.好きな芸能人は?
昔は萩原健一。
Q12.カラオケの18番は?
Q13.宝くじで100万円当たりました。どうする?
貯金。
Q14.楽器歴何年目?
45年
Q15.オケ歴何年目?
26年
Q16.好きな作曲家は?
バッハ
Q17.苦手な作曲家は?その理由は?
Q18.好きなクラシックの曲は?
マタイ受難曲。
Q21.本番が終わりました。飲む?飲まない?
渡辺先生とは地元の大学のオーケストラで指導していただいて以来、10年近くお世話になっています。
大学オケの合宿ではトロンボーンとチューバパートで先生コンパを開くのですが、他のパートの人たちも参加してくるほど楽しいです。
管理人が就職で関東に来てからも、東響のチケットをいただいて毎回演奏会を聴きに行ってました。
このホームページ作成にも快く協力していただきました。
2016年12月18日 渡辺先生のご自宅にて
それではよろしくお願いします。まず最初にチューバを始めたきっかけを教えてください。
きっかけは小学生5年生の時に、その小学校に吹奏楽部ができたのかな。
それで始めたんですけど、それまで音楽のおの字も知らなくて、音楽も好きじゃないし楽譜も読めなかったんですけど、そこに入ったら通信簿でオール5が取れるっていう噂を聞いて入ってみたんです。
最初からチューバを吹きたいと思っていたのですか?
全然思ってないですね。最初はトランペットがいいなと思ってたんだけど、それがだめでトロンボーンもいいなと思ったけどだめで、お前はこれだって先生に。
チューバじゃなくてスーザフォンだったんだけどね。小学生にスーザフォンを吹かせようっていうどんな考えなのか分からないけど(笑)
それで小学校を卒業するときにこれで飯を食っていこうって決めてました。
そのきっかけというのは?
吹奏楽のための民話っていう曲知らない?あの曲やってて背中に電流が走ったんだよね。ビビビっと。
それで楽器で飯を食うぞと。その後地元の中学校に入ったんだけど、吹奏楽部がなかったんですよ。
だから親に楽器買ってもらって、個人レッスンを受けてたんですよ。普通そんなことしないよね、チューバって。
合奏もしないで黙々と一人で練習してたという変わった中学生でした。
高校は音楽高校に入られたのですよね?
その音楽高校というのがすごく面白くて、芸大の付属高校だったんだけど、チューバで受ける人もあんまりいないし、僕が最初ってわけではないだろうけど、僕が久しぶりに受けたんですよね。
で、受ける方もあんまり分かってないんだけど審査する方も分かってなくて(笑)
これはいったい上手いのか下手なのかどうなんだろうって感じで。
それで合格したんだけど、そのあとは一人も通ってないんですよ。もう俺で懲りて採らなくなったんですよ。
それで大学は芸大に?
一浪してね。
どんな学生でしたか?
その時はこれがいいと思ったらそれしかしない視野が狭い感じだったかもね。
その頃からオーケストラに入って吹きたいと思っていましたか?
それはあったけど実際周りを見てみると、オーケストラはメンバーが辞めない限り入れないじゃん?
その時は埋まってたんだよね。卒業して何年か経ってもしばらく空かない状態だったんだよ。
その頃は金管アンサンブルを非常に良くやっていて、音楽教室とか地方を回ったりしてそこそこ仕事はしてたんだけど、ずっと食べていけるかってのはなかなか厳しい状況かなと思ってました。
そこで東京シティフィルに入ったのですよね?
そうです。オーディションがあってなんとか通りました。シティフィルには4年いました。
それから東響に移籍したと?
東響に入ったのは招待オーディションでした。今みたいに公募じゃなくて一人だけ呼ばれて。
ラッキーでしたよね。みんなと競い合うのはなかなかキツイですから。
東響はどんなオケですか?
俺ってわりと自由気ままに吹いてるから、こうしろああしろっていう風に言われたことがなくて、わりと自由に吹かせてくれるオケですね。とてもありがたいですね。他の人は迷惑してるだろうけど(笑)非常にやりやすくさせていただいてますね。
音楽監督にジョナサン・ノットが就任しましたが、どんな指揮者ですか?
非常にプログラミングが上手いっていうのと、音楽の運びがすごく自然ですね。振り始めるときにニコニコしながら振り始めるから、それに乗せられる感じだね(笑)
ノットと共演して一番記憶に残っている演奏会はなんですか?
一番やられたと思ったのは、リゲティの100台のメトロノームの曲って知ってる?あれからバッハにつながるとこがやられちゃったなあって。
全然自分が吹いてるとこじゃないけど(笑)ほとんど聴衆として聴いてたけどこれは持ってかれたなあって感じで。
それが一番印象に残ってるかなあ。
ノットが就任してからオケはどのように変わりましたか?
やっぱり自然に流れるように変わったと思うんですよね。
ただ僕が一番変わったと思うのが、スダーンが就任した時だと思うんですよね。
スダーンの音楽の作り方とノットの作り方は全く違うけど、スダーンの就任がなくていきなりノットだったらああいう風にはならなかったなと思うんだよね。
スダーンが就任してオケのレベルが上がったと?
そこでガクンと上がったような気がするね。みんなから嫌がられてたけどね。練習しつこいから。
ノットはどんな練習をしますか?
わりとあっさりしてるんだよ。スダーンが細かく分奏したりだとか、ソロで吹かせたりしてたけど、ノットはあまりそういうことはしない。
全体的に演奏させて、説明するんだよね。英語得意な人は分かるんだけどさ、すごく早い上に良く分からないんだよ(笑)
それで本人は説明した気になって納得してるんだけど、こっちの方は大丈夫かなこれでって感じで(笑)
わりと時間も早く終わったりするんだよね。
練習と本番の演奏で違うことはありますか?
この前のショスタコーヴィチの交響曲第10番を演奏した時に、一番最初の振り始めで練習では予備拍を振ってたんだけど本番では急に予備拍無しで振り始めてあれあれあれ?って感じで(笑)
案の定コントラバスとチェロがズレまくってて(笑)
なんか仕掛けてくるんだよね。わざとだとは思うんだけど。
話が変わりますが、チューバを吹くうえで気を付けていることはありますか?
あんまり隠れないようにして吹いてるかな。大きいって言われたら小さく吹くし。前も言ったけど割と吹きたいように吹いてますね。
チューバの魅力とはなんですか?
やっぱり空気を震わせるようなブンっという響きの音圧感と、たまに高い方でソロが出てきたりした時の艶やかさかな。
オケでソロが出てきたときは緊張しますか?
するよー!するさそりゃ(笑)普段あまりソロって吹いてないじゃん。
トランペットとかホルンみたいにしょっちゅうソロがあるわけじゃないし、だからと言って彼らが緊張しないとは思わないけど。でもそれが仕事だからある程度慣れはあると思うけど、チューバでたまに出てくると緊張するよね。
展覧会の絵でもチューバのソロがありますよね?
展覧会は昔はチューバで演奏したけど、最近はユーフォニウムに頼んじゃうから。あれも緊張するけど、あれはあきらめの境地というか(笑)
そうなんですか(笑)それでは最後にチューバを吹いてる学生にアドバイスがあればお願いします。
最近の学生はすごく上手になってきているけど、もうちょっとクリアに自分を出していくというか、どうしてもモゴモゴ系の音になっちゃってますよね。音を外したりはしないんだけど、そうやって吹いちゃうから。
外してもいいとは言わないけど、パンパンっていう風に金管楽器だからブラッシーな感じで吹いてほしいなあと思うことが多いですね。
オケや吹奏楽で吹くときのアドバイスはありますか?
よくチューバが遅いって言われるけど、それはくっきりはっきり吹かないからそう聴こえちゃうわけで。
あと音楽的にも若干リードするつもりで、他の楽器を引っ張るようなつもりで吹かないとダメかもしれないね。
かと言って速く行き過ぎてもだめだけど。そこらへんの匙加減を上手く出来るといいなと思います。
そうですね。今日は貴重な話を聞かせていただきありがとうございました。